家族のコミュニケーション不足には、さまざまな要因が考えられますが、その要因の一つとして、「家の構造」、つまり家族同士の接点を家の構造が阻害しているということがあるならば、建築家や住宅供給業者は、その責任の重さを痛感しなければならないはずです。しかし、これまでの住宅業界は、個人のプライバシーを尊重するあまり、空間を壁で分断し、住まいの中に「避難場所」を設け続けてきました。特に大手のハウスメーカーは、消費者のニーズに応えると謳いながらも、経営の合理化ばかりを先行させ、専門家として適切な助言を怠ってきました。
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社会に対するこの責任は、はなはだ大きいと言わざるを得ません。私が未成年者の犯罪、中でも自宅を舞台とした犯行に興味を持つようになったのは、この「家の構造が家族のコミュニケーションの阻害要因になっている」ということに関して、住宅業界に身を置く者の一人として惧促たる思いがあったからです。